来週からの出張先が、昨年に引き続いて「キャッシュレス決済でxx%還元」という対策を行うらしい。
出張先での飲食や飲料の購入は必須なので、これで要した費用の一部が勝手に還元されるので個人的にはうれしいところである。このようなキャッシュレス還元はコロナ後の経済対策として各地で実施されているが、現在でもこの対策は有効と言えるのだろうか。
過去の政策
『買い物に要する費用を補助する』という点で類似している制度として「地域振興券」が思い出されるが、これに関しては「効果が乏しい」という意見が大勢を占めていたと記憶している。
(実際にネット内に残っている評価をみても、そのような意見が大半である)
経済効果として疑問符が付く政策だったせいか「地域振興券」的なものは効果がないものとして避けられていたが、数年前から地域限定の割り増し買い物券として発売する自治体が増えだした。
コロナと割り増し券
コロナ禍では一部の業種で消費の落ち込みや売上減少がみられたこともあり、この対策として更に「地域振興券」的なものに取り組む自治体が急増し始めた。
ただし、人と人との接触が問題視されていたこともあり、非接触で決済できる「キャッシュレス還元」が各地で採用されている。紙媒体か、電子媒体かという点に違いはあるものの、地域での買い物に利用できる割増券という点においては同じものと捉えてよいだろう。
コロナ禍という特殊事情を考慮すると地域振興券的な対策もあり得るかもしれないが、状況が落ち着き始めた今になっても「そもそも経済効果がない」とされている取り組みに相当の予算を投じるのはいかがなものだろうか。
取り組んだことに対しては評価が必要
地域振興券にしてもキャッシュレスにしても否定的な意見を述べてきたが、一部の地域では複数店舗を巡回させるような仕組みを組み合わせることで地域内の経済効果を高めているところもあるので、使い方によっては効果があるといえるだろう。効果が出ることもあるだろうが、実態としてキャッシュレス還元の殆どが新たな需要を喚起することに繋がっているようには見えない。
地域振興券の時はその施策の有効性が随所で評価されており、その証拠に今現在でも「地域振興券の是非」を検索すると様々な意見を収集することができる。これに対してコロナ禍においては「評価する」という動きが乏しいように感じる。
新たな政策に関しては成功もあれば、失敗もある。成功することが望ましいが、特にコロナ禍のような特殊事情においては想定通りの効果が出ないこともあるだろう。想定通りではないというのであればその現象を分析して、改善すればよい。
昨今の経済対策に関してはバラマキ的な施策が多いことが気になるが、それ以上に「政策を評価する」というプロセスが抜け落ちていることが問題である。