IT導入においては、それを推進する社内の人材確保が最も難しいといわれています。これは中小企業だけに限らず、大企業でも同じことが言えるらしい。
(出典:中小企業白書より 「IT投資やITの活用における課題」)
「人材が不足」と言っているが、ここで必要となる能力として、ITリテラシーと情報リテラシーの2つが挙げられます。
特にコンピュータを操作したり、ソフトウェアを使いこなすITリテラシーは高い専門性が求められ、私もここら辺の技術支援のために企業さんから呼ばれることがあります。
が、「ITリテラシーが低いから、IT導入に失敗した」という企業は少ないです。逆に「ITリテラシーしかないからIT導入に失敗する」ことに気をつけた方が良いでしょう。
単に「EXCELの使い方を知りたい」とか、「無線LANを導入したい」というだけであれば、ITリテラシーが大事です。
が、その先に、「計数管理をして、財務状態を改善したい」とか、「情報共有を推進して、業務のスピードアップを図りたい」というのであれば、ITリテラシーに加えて情報リテラシーや経営リテラシーも必要になります。
強すぎるITリテラシーは危険?
ITリテラシー....あればあるだけ良さそうですが、そうとも言い切れません。
経営上の問題点であれば、経営レベルでの解決策を提示して欲しいのですが、経営リテラシーよりもITリテラシーが先行する企業の場合は経営レベルや業務レベルでの話を素通りして「xxソフトを導入すれば解決しますよ」という技術的な手段が先に出やすくなります。
「いやいや、それは論理が飛躍していますよ」という指摘をするのですが、残念ながら情報リテラシーや経営リテラシーが高くない方はそもそも経営レベル・業務レベルで話をすることが得意ではないので、何が飛躍しているのかすら理解できなかったりします。
経営者の方から「ITの専門家は何を言っているのか分からない」という話を聞くことが多いのですが、それは専門用語が分からないということもあるのですが、それ以上に「経営の話をしているのに、それとは全く関係のない技術の話をしているから」というケースも多いように感じます。