一応「ITが得意なコンサルタント」として仕事をしていますが、大きい案件ほどITを使わないことが増えています。
「ITに疎くなった」 という訳でもないのですが、ITを使う前にすべきこと、ITを活用するよりももっとアナログな対策の方が有効なケースが多いからです。また、全くITを使わないわけでもないが、当初予定していたよりも投資範囲を絞り込んだりもします。
たとえば、「イントラネットを導入して情報共有」の筈が、仕事の指示伝達経路の整備で解決したり、「業務システムの再構築で、情報の一元管理」が、サブシステムのEXCEL連携で解決したり。
ITに関する案件は「具体的に、こういうシステムを作りたい」という最終形を相談されることが多いのですが、実はそれをもう一度ヒアリングし直すと、お話しているうちに「やはり、そこまでの投資は不要」ということが多いです。
考えるポイントは費用対効果が得られるか、問題の根本原因まで掘り下げられているかという2点。
「ITは費用対効果で図れないことも多い」、「競争優位に立つためには(戦略的に)ITを導入することも必要」という意見もあります。実際、費用対効果では図れないことがあるのも事実です。しかし、費用対効果が図れない、価値を検証できないというのは限られたケースであり、それ程多くはありません。
企業であれば利益を追求すべきであり、「費用対効果」という視点は安易に外してはいけないものです。
次に問題原因の掘り下げです。これはロジックツリーなどのツールを使うこともありますが、多くの場合は、「多面的にヒアリングする」、「多面的に代替案を提案する」ことで新たな解決策が生まれることが多いです。
経営者さんとお話した後に、「なんか怪しいと思っていたけれども、やはりITは不要か~」等と 言われると「役に立った」と思いますが...ちょっと複雑なことも多いです。
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