中小企業のコロナ対策~主な施策と使い方

主な補助事業

コロナ対策で様々な施策が打ち出されている。連日の報道で話題になっているものの、中小企業向けが活用できそうな施策としては「資金繰り」「雇用」「経済活動」に関するもので、これまでの自然災害と比べて特段新しいものは無いといえる。

「資金繰り」は信用保証と特別貸し付けに関するもので、事業を維持するために資金を借り入れて一時的にこの窮状を凌ぎましょうというものである。
「雇用」に関しては雇用調整助成金が中心で、これは休業手当や教育訓練の一部を負担しようというものである。近年の自然災害では「失業給付の特例」という失業手当てを受け取りやすくする特例が出ることが多いが、今回はそれがない。
「経済活動」に関しては例年募集されているモノづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金が中心で、コロナ対策の場合は加点要素があるが、制度自体は従来と変わらない。
なお、一部地域や業界向けに販路開拓に伴う支援事業が公募されていることもあるので、官公庁が公表するものだけでなく、自治体や業界団体、民間組織が公表する情報にもアンテナを張っておくことが望ましい。

URL
中小企業向け(各省庁へのリンクも含む)新型コロナウィルス関連情報 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
経済産業省新型コロナウイルス感染症関連
日本政策金融公庫が新型コロナウイルスに関する特別相談窓口を開設し、セーフティネット貸付の要件を緩和します (METI/経済産業省)
中小企業の生産性革命を応援します! | 中小企業生産性革命推進事業
厚生労働省新型コロナウイルス感染症について 「働く方と経営者の皆さまへ」
雇用調整助成金 |厚生労働省
新型コロナウイルス感染症に係る時間外労働等改善助成金
地域別支援策(都道府県・市町村別)新型コロナウィルス関連(都道府県別) | 新型コロナウィルス関連情報 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
中小企業向けの主な施策

コロナ対策に関しては「過去に例をみない大胆な経済対策を打ち出す」という報道があるが、従来の大規模災害時の政策からみても初期段階の施策として主要なものは出揃ったと判断できる。
企業経営者の中には「革新的な施策が提供される」ことを期待される方もいれば、「個別保証」の必要性を訴える方もいる。そのような働きかけを行うことも必要ではあるが、その一方で出揃った施策の範囲内で今後の方向性を考えることも必要である。

初期段階の施策活用

不測の事態に陥った場合の考え方

先行きが見えない状況で、「どこから手を付けてよいか分からない」という状況かと思うが、まずはシンプルに考えて判断することが必要である。
雇用を維持するにはどうすればよいかと迷う反面、社員の英知を集結して新商品を開発したほうが良いかとか、様々な対策が考えられる。
守るべきか、攻めるべきか、守りながら攻めるべきか...相反する取り組みが考えられ、「どう考えて、どこから手を付ければよいか分からない」というのが正直なところだろう。ここは迷いどころではあるが、コロナのような突発的要因で業績が悪化しているのであれば、「まずは守る、守ってから攻める」と二段階で考えるのが妥当である。

初期段階の施策活用

現在、最も厳しい状況にあるのが「売上は減少するものの、人件費や地代などの固定費の支出が続いている事業者」といえる。このように会社の財務状況が一気に悪化しているような場合であれば、その出血を止めることが重要になる。
出血原因となっている固定費の支出を削減するために営業時間の短縮や休業、場合によっては人員削減も考えられる。運転資金を確保して財務的な余裕を持たせることも考えられる。ここで活用できるのが雇用調整助成金であり、コロナ関係の融資制度の活用である。

暫定対応が終わった後の施策活用

一息ついてからの考え方

出血を止める方策を決めてしまえば、落ち着いて次の行動を考えることができる。
(実際に休業や人員削減を行わないにしても、「そのような対策を行ったらどうなるか」を想定し、「完全に守りに入った状態」を把握することが重要である)
「守り」を考えた後は「どう攻めるか」を考える。
ここもシンプルに考えた方が迷わないので、「利益=売上-費用」という公式から、売上を上げるのか、費用を下げるのかのいずれから取り掛かるかを決めた方が良い。

攻めに転じる際の施策活用

従来の自然災害であれば「地元顧客は期待できないが、遠隔地の顧客に販売する」ことも可能だったが、今回ばかりは国内外、どこを探しても新たな顧客を見つけ出すのは難しい状況である。
このように売上が上がらずに経費負担が大きくなっているという状況であれば、やはり費用負担を軽減するような取り組みが必要である。
その反面、一部の飲食店では「デリバリーの強化」「持ち帰り弁当の開発」などに取り組み、売り上げ拡大に取り組んでいるところもある。ここで「デリバリーに取り組むなら人員削減するわけにはいかない。人員削減で支出を抑制するよりもデリバリーに取り組んだ方が良い」と見込めるのであれば、前記の「まずは守る(人員削減)」には取り組まないと判断すれば良い。
このような売上拡大に取り組むのであれば経済産業省で募集している「モノづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」等の活用が考えられる。

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