中小企業、特に事業規模が小さくなるほど低価格ソフトや手作業を容認することが重要になる。
理由は明確で、全て有料ソフトにしてしまうとシステム構築費用が高騰化し、費用対効果が得にくくなる点にある。
低価格ソフトとは?
低価格ソフトとは「月額数百円で使用できるクラウドサービス」や「数万円で販売されているパッケージソフト」を指している。
もし、同等機能の無料ソフトがあればその方がコスト的には優れているのだが、無料となると出所が不明確であったり、特許を平気で侵害しているソフトもあったりする。
そこから発生するリスクを考慮すると、「有料ソフトの無料版」あたりまでがビジネスで使用しやすいものと言える。
手作業を容認するとは?
システムを自社開発するのであれば全て自動化したくなるものだが、前述のように既存ソフトを導入する場合はそのソフトとのデータ連携が必要になる。
データ連携もAPI連携などで自動化可能なケースもあるのだが、大企業と違って「データ量」や「操作の手間」を勘案して費用対効果等の観点で見ると、あえて自動化しなくても良いケースがある。
このため、インターフェースが用意されているにもかかわらず、API連携で自動化せずにCSV出力したものを手作業で取り込むというようなアプローチは良くある話だ。
システムを開発するITベンダーの側からすると全て自社で開発したくなるものである。
これは開発費用という問題だけでなく、責任の所在や品質の維持という側面もあるので、全て自社開発しようというベンダーの姿勢も悪いとは言えない。ただし、中小企業、特に従業員が少ない企業になればなるほど、大企業のような費用対効果が生まれないことを意識してシステム化する範囲を検討すべきである。
使う側の注意点
無料ソフトや低価格ソフトを容認するのであれば、それに対するリスクがあることも認識しなければならない。
「低価格ソフトが動作しなくなった」、「バージョンアップで非互換が出た」ということもあり得るが、問題が発生した際にベンダーに丸投げするのは厳禁ということは心得なくてはならない。