経済産業省から「IT投資価値評価ガイドライン(試行版)」が公表された。
試行版とはいうものの、その内容はよく検討されており、ITを活用する企業においては有効活用が期待できる内容に仕上がっている。
報告書の前書きにもあるとおり、ITのプロでない経営者が、IT 投資をいかに捉えるかということを想定している。報告書の構成は、経営におけるIT 投資マネジメントのポイントと、個別プロジェクトのIT投資価値のポイントを、それぞれ解説している。
以前公表されたJIPDECの『IT投資マネジメント評価指針に関する調査研究報告書』は経営の観点も多く含まれていたため、経営とITの整合性が取れる反面、簡単には使えない印象があった。それに対し、経済産業省の『IT投資価値評価ガイドライン』はITの視点が多く、この資料の参考に出来るところだけ利用することも可能であり、活用しやすそうな印象を受けた。時間のない経営者はチェックリストだけ参考にしても有効そうである。
ただし、誰でも理解できるほど容易ではない。簡単に書いていながら、非常に含みの大きい項目もあり、読み手の見識によって達成度合いの評価は大きく異なりそうである。
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