補助金申請と俳句の世界に通じるもの

WS000001いよいよ「ものづくり補助金」の締め切り間近、最後の仕上げの段階です。ものづくり補助金終了後は持続化補助金もあり、この時期は補助金対応に追われがちです。

「補助金申請のお手伝いをします」というと「お金目当て」とか、「文章のテクニックだけ」とか、ネガティブな指摘もあるようですが...

そういう捉え方をされるような側面はあるかと思いますが、私の経験では申請書の作成を通じて経営計画のブラッシュアップを図ったり、新たな気づきを得たりというようにプラスに作用することの方が多いように感じます。

なぜ申請書作成がプラスになるのか

補助金毎に募集要件があり、審査基準があります。採択されるためにはそれら満たしていなければなりません。

このため採択を狙う場合は「自分の事業のどの部分が合致しているのか」、「何を訴求すればよいのか」を考えたり、申請書のフォーマットにあわせて自社の問題・課題・目標などを構造化したりという作業が必要です。

ここで「採点者を誤魔化すために何と書くか」というズルい行動をすると何にもならないのですが、ここで真面目に取り組むことで事業戦略の漏れに気付いたり、新たな気づきを得たりすることが非常に多いです。

 

制約されるからこそ気づくもの

例えば「ものづくり補助金」では技術的課題がキーになりますが、「現状の問題点、事業目標、技術的課題を挙げてください」という話を切り出すと、この3つを応えられる事業者さんは非常に少ないです。

問題点は挙げらえれても課題を答えられなかったり、経営上の問題と作業レベルの問題を混同したり....

募集要件・申請書という制約があるからこそ、自社独自の経営計画は作れるのに申請書には何も書けなかったり、書いたとしても全体的に整合性のない計画になっていた等の問題が出てきます。

が、そこを頑張って検討し、申請書に落とし込むことで、新たな気づきを得ることができるのです。

このような状態は俳句の世界と同じようなものではないでしょうか。

俳句には「五・七・五の定型詩であること、季語を入れること」という制約があります。このような制約があるからこそ、17文字の中で無限の広がりを演出することが可能になっています。

補助金というとネガティブに捉えられる事業者さんも多いのですが、機会があれば、コンサル頼みにせずに補助金申請に前向きに取り組むことをお勧めします。