「グループ化補助金は東日本大震災の時だけ」と思っていましたが、熊本でもグループ化補助金が検討されているようです。ここ数日は熊本から「グループ化補助金」というキーワードでの検索も急増しています。
熊本で適用されるグループ化補助金の詳細は確認できていないので、東日本大震災の話が参考なるか分かりません。グループ化補助金に関しては無難な情報発信に留めていましたが、東日本大震災の経験から、「こういう事を知っていたら良かったな」ということをお伝えできればと思います。内容に関しては不快に感じる方も多いかと思いますが、少しでも熊本の経済復興の参考になれば幸いです。
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1. 最新の設備で復旧したい
グループ化補助金の補助対象になるものは「被災した施設・設備」が原則で、かつ、被災したものの再取得価格を請求することができました。このため、資産価値がないような古い設備でも再調達が可能になりました。ここで問題なのは、「被災した施設・設備」が原則なので、「被災した施設・設備」とは違う「最新の低価格・高機能な設備」は対象外です。このため、泣く泣く古い装置を導入したというケースもありますが、古い機能を包含していれば補助率を下げてでも対象にするとか、それを活用した事業計画を作るのであれば対象にする等の考慮が欲しかったところです。
なお、東日本大震災の場合、当初は「被災した施設・設備」だけが補助対象でしたが、その後、新分野に進出する際には被災した施設・設備以外も申請できるようになりました。が、あくまでも新分野という事なので被災前と同じ事業では復興できないような場合に限ります。もし、被災前と同じ事業を再開する企業でも、レベルアップした設備で本業に特化できていれば復興を加速できた企業も多いかと思います。
「被災前と同じ設備でないと、資産形成につながる」という話も聞きましたが、そもそも簿価ではなく再調達価格が補助されるという時点でその前提が揺らいでいるのではと思うのですが。
2. 個別復旧の道も欲しい
グループ化補助金以外にも単独で申請できるものとして、宮城県独自の中小企業施設設備復旧支援事業費補助金(製造業)、地域商業等事業再開支援補助金(小売等)がありました。製造業は2000万が上限なのに対して、小売等(卸・小売・飲食・運輸・サービス・建設等)は上限300万となっていました。申請も簡単だったので、被災規模が小さい企業、またはグループを組むには負担が大きい企業はこちらで済ませるケースもありました。しかし、小売等の上限300万円は低すぎるので、上限がもう少し高ければこちらでの復旧も選択しやすくなります(岩手県にも同様の制度があったようですがこちらは卸・小売・サービス以外は上限が2000万円で、地元企業からも好評だったようです)。
なお、県単独補助金とグループ化補助金の併給は出来ませんが、県単独で復旧し、その後グループでも採択されるというケースは数多くみられました。この場合は、県単独補助金は一旦返金してからグループ補助金を受けるようになりますが、このようなルートもあることを最初から支援者・事業者も意識した方がいち早い復旧が可能かと思います。