東北経済産業局から「<管内の経済動向> ~27年2月の経済指標を中心として~」が発表された。
住宅着工戸数が減少傾向にあるので気になっていたが、東北経済連合会で発行した「(東経連情報第2号)東北の景気動向(平成27年2月経済指標中心)について」というレポートにもう少し詳しいコメントが付けられていた。
これによると『東北7県2月の新設住宅着工戸数は4,622戸で前年同月比▲12.4%減少し、8カ月連続で前年を下回った。(中略)宮城、福島が前年同月比で減少、ほか5県が増加となった。(同レポートから引用)』となっており、宮城・福島の住宅着工戸数が減少傾向にあるとのことである。
このレポートに過去数年間の推移が掲載されているが、これによると平成25年度まで東北の住宅着工戸数は一貫して全国平均を上回っていたが、平成26年度からは全国平均と前後する水準にになっている。
「震災復興の一環として住宅再建はまだ伸びるのではないか」と思っていたが、これは意外な結果である。気になったついでに震災以降の住宅着工件数を分析したのが以下のグラフである。
政府統計の総合窓口(e-Stat)に掲載されていた数値(グラフ)をみると
- 震災で被災した宮城・福島・岩手の住宅着工戸数が増加してきた
- H25からH26にかけて、福島・岩手の住宅着工戸数は高止まりしている
- H25からH26にかけて、宮城の住宅着工戸数は伸びている
ことが分かる。
更に、独自に集計にしたH27年度の宮城県の住宅着工戸数(24,476)を重ねているが、これを見るとH27年は「宮城県の住宅着工戸数も減少に転じ始めた」ことが分かる。
「復興はこれから」という報道も多いので住宅着工戸数はまだ伸びるのかと思っていたが、そろそろ復興バブルも縮小し始めることを意識しなければならない。