沿岸部や原発事故が大きい地域を対象に、失業保険が再延長されるそうだ。
失業手当を90日再延長=被災3県の沿岸地域対象―厚労省 (時事通信) – Yahoo!ニュース
沿岸部の状況をみると、これはありがたい措置と言える。その反面、「失業保険の方が割が良いから」ということで、募集をかけても人が集まらないという相談が多いのも事実である。
では、失業保険の延長は不要かというと、そうではない。
働きたくても働き先が見つからない人もいれば、「もとのように働こう」という気持ちにはなれない人もいるだろう。そのような人のためにも失業保険の延長というのは賛成である。
その一方で、「地元の復興のため」と、少ない賃金でも職についている人もいれば、地元の雇用を増やそうと企業の再建に立ち上がった経営者さんもいる。このような方たちの中からも、「失業保険を貰っていた方が割が良い」という声も聞こえてくるのだが、働き始めた人に対しては活用できる支援策は殆ど用意されていないのが現状である。
被災地の現状をみて、「失業保険の再延長が必要」と判断したのであれば、被災地の経済環境を考慮して、賃金の不足分を補てんしたり、雇用を伴う経済活動の支援を手厚くしたりするなどの施策が増えてもよいのではないだろうか。
また、一時的には失業手当を給付するにしても、最終的には「従来の仕事ができる労働環境を復元すること」を目指さなければならない筈である。
その点からすると、失業手当という一時的な給付よりも、企業の再建や創業支援などの支援の方が重要なのだと思うのだが、何故かそちらの支援は手薄なままである。