仙台・宮城DCの評価が甘い

昨日の河北新報で「仙台・宮城DC、出足苦戦 宿泊客は1割減」なる記事が掲載されている。

主旨としては「ディスティネーションキャンペーンを行ったのに、観光客数が減少している。地震の影響やガソリン高も起因している。全国的に観光客が減っているので検討しているともいえる。これから巻き返しを狙う。」ということである。

これは今回の新聞記事に限らず、「風評被害で観光客が減少しているが、DCのおかげでこの程度の減少で食い止められた」という意見は地元の報道でもよく聞く話である。

確かに外部要因の影響は否定できない。しかし、コンサル的に記事を読むと、どうも歯切れの悪さが気に掛かる。「分析が緩くないか?」

そもそも、どれくらいの集客ができるのか。

ディスティネーションキャンペーンは今に始まったものでもないので、過去の数値を利用すればどの程度の伸びが妥当かは分かるはず。更に、今年の全国的な観光客の状況、過去に地震被害が発生した地区の環境客の減少率などを調査すれば、今回の減少率が妥当なものかどうかはデジタルに判断できるはずである。

私たちが知らないところではしっかりと分析がされているのかもしれない。が、「これから巻き返しを図る」というときに、そういう冷静な分析が必要なはずである。

「地震の影響を割り引いても減少率が大きい」のか、「地震は関係なく、昨今の経済状況の中では検討している」のか。それによって、風評被害を払拭する戦略に出るのか、地震のことは気にせずに冬のイベント(光のページェントなど)をアピールする戦略に出るのかが見えてくるはずである。

危機感を持って巻き返しを狙うならば、これまでの反省と、今後の方向性を明確にしなければならないはずである。しかし、それがないまま、「みんなで頑張ろう」的なやり方で成果が出るのだろうか。

「DCとは何か。DCでは何を目指すのか。」という明確な目標も無いまま、「DC、DC」と騒げば人が集まる、イベントを開けば人が集まる、JRが勝手に観光客を連れてきてくれるというような甘い認識で行動しすぎではないだろうか。

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