被災地における街づくりと経済復興

被災地の経済復興を目的に、各地で仮設店舗が建てられていますが、商売を成り立たせるためには仮設店舗のようなハコモノを用意するだけでなく、販売の仕組みや工夫のようなソフト面の対応も重要です。

つまり、「経済復興≠ハード」という図式です。これに関しては納得してもらえることが多いようですが、「経済復興≠地域活性化」であること、すなわち、地域を活性化だけでは経済復興につながらないということは認識されていないように感じます。

被災した地域を復興するために、各地で街づくりに関する様々な取り組みも行われています。このような活動では経済復興を主たるテーマにしているわけではないのですが、「地域を活性化すれば、それに付随して経済も復興する」と捉えられていることが多いように感じます。イベントを開催したり、コミュニティの形成により地域が活性化すれば経済も回るだろうと...

この考え方が誤っているとは言いませんが、必ずしもそうではないということに気を付けなければなりません。ハコモノを用意することが(必ずしも)経済復興につながらなかったように、集客ができても「儲かる仕組み」がなければ経済復興につながらないこともあります。

 

地域活性化や街づくりは議論の対象になっても経済復興が議論されることは非常に少ないと感じています。地域経済に体力があるときであれば、それでも何とかなったのかもしれませんが、今回のように地域経済をさせる小規模企業のダメージが大きい状況においては「経済復興につながる仕組み」と「街づくり」をセットで検討することが必要ではないかと思います。